コロナ以降増加する株主優待の廃止|株主優待銘柄を選ぶ時の3つの注意点について解説

管理人タケ
管理人タケ

この記事では
”株主優待銘柄を選ぶ注意点”
についてわかりやすく解説します

 
 

株主優待の廃止は珍しくない

2023年に株主優待が廃止された銘柄は77銘柄、そして今年2024年7月14日時点で株主優待が廃止された銘柄は43銘柄となっています。

なぜこのように多くの銘柄が株主優待を廃止しているのでしょうか。

 

株主優待を廃止する理由

株主優待が廃止される理由は大きく以下の3つに分けられます。

 

公平な利益還元

1つ目の理由は、公平な利益還元です。

株主優待廃止の発表の際のコメントによく使われる文句ですが、公平な利益還元というのは主に海外投資家と国内投資家の不公平の解消のことです。

近年円安の影響により海外からの日本株式市場への投資が増加しています。

しかし、日本独自のシステムである株主優待は海外在住の投資家は対象外であるため、海外投資家からは不満の声が上がっています。

そのため、株主優待よりも配当金で株主に還元した方が海外投資家からは受けがよく、より多くの資金を集めやすくなるのです。

 

上場廃止

2つ目の理由は、TOB(株式公開買い付け)などにより上場廃止となり、株主がいなくなることです。

株主がいなくなることにより資金調達が難しくなる半面、口出ししたり気を遣う存在がいなくなることにより純粋に経営陣のみで会社を運営することができます。

 

上場の条件の緩和

3つ目の理由は、上場維持条件の緩和されたことになります。

2022年に東京証券取引所が再編され、最上位の市場が東証一部から東証プライムとなりました。

東証一部までは上場維持する条件の中の1つに株主2,200人以上というものがありましたが、東証プライムなってからは株主人数800人までに緩和されました。

つまり、上場企業は今までに比べ、多くの株主を維持する必要がなくなったということです。

 

コスト削減

4つ目の理由は、コストの削減です。

近年は運送コストの増加により、物を送る株主優待はコストが高いものとなってきています。

それにより、企業の経営状況が悪化した時は今まで以上に株主優待が負担となり、廃止と言う判断がなされる可能性が高くなります。

 

株主優待が廃止されるとどうなる

株主優待銘柄が株主優待を廃止すると、大抵その銘柄の株価は暴落します。

しかし、上場廃止のためTOBになった場合、また優待は廃止されたが増配(配当金が増える)の場合については、その内容によっては株価が逆に高騰する可能性もあります。

すなわち、株主として一番避けるべき事態は経営状況の悪化によるコスト削減を目的とした株主優待の廃止です。

 

株主優待廃止を避けるため株主優待銘柄選び

株主として一番避けるべき事態である、”経営状況の悪化によるコスト削減を目的とした株主優待の廃止”を避けるためにはどのようなポイントに注意すべきでしょうか。

 

1. クオカードの株主優待は注意

2024年に廃止された株主優待を見ると、その約半数はクオカードです。

一方で、2024年に新設された株主優待で一番多いのもクオカードです。

企業目線で見ると、クオカードの優待は個人株主から資金を集めるための有効手段である反面、自社優待券や自社割引券などに比べて高コストなものです。

また、自社製品のような宣伝効果もありません。

企業にとって高コストであるクオカードの株主優待は、資金集めのための一時的な優待であり、いずれは廃止される可能性があると言えるでしょう。

 

2. 財務状況を確認する

株主優待銘柄の財務状況を確認することで、その銘柄の経営状況が順調かそうでないを判断することができます。

別の記事で、財務状況の見方などを解説しています。

 

3. 配当金がある銘柄を選ぶ

株主優待+配当金がある銘柄は、もし経営状況が悪化したとしても、株主優待の廃止という判断の前に配当金の減額や無配という方法でコストを削減できるため、株主優待が廃止されるリスクが低くなります。

逆に言うと、配当金がなく優待利回りが高い銘柄などは、経営状況が悪化すると優待廃止になってしまう可能性があるため、注意が必要です。

 

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まとめ

  • 株主優待がクオカードの銘柄は優待廃止リスクが高い
  • 銘柄の財務状況を確認することで優待廃止リスクを下げる
  • 配当金がなく優待利回りが高すぎる銘柄は注意

最後までお読みいただきありがとうございました。

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