南海トラフ地震と不動産について解説|過去の南海トラフの地震の被害と、不動産投資家が備えるべき4つの対策

管理人タケ
管理人タケ

この記事では

”南海トラフ地震と不動産”

についてわかりやすく解説します

南海トラフ地震と不動産投資

日本は地震大国であり、その中でも特に大きな影響を与えるとされるのが「南海トラフ地震」す。

南海トラフは静岡県から九州地方にかけて広がる海底の溝のことで、ここで発生する地震のことを南海トラフ地震と言います。

同じくよく耳にする地震で「首都直下型地震」がありますが、これとは別のものです。

南海トラフ地震は、多くの人々の生活や経済活動に大きな影響を及ぼす可能性が懸念されています。

今回は、知っているようで知らない南海トラフ地震の基本的な知識と、それが不動産に与える影響、そして投資家としてのリスク管理や対策について考えていきます。

南海トラフ地震とは

南海トラフ地震とは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界で発生する地震のことです。

この2つのプレートは互いに接触し合っており、その摩擦によって常にエネルギーが蓄積され続けています。

そして、あるタイミングでそのエネルギーが解放されると、大規模な地震が発生するのです。

過去の南海トラフの地震被害

南海トラフ地震は、歴史的に見ても周期的に発生しています。

過去に発生した1707年の宝永地震、また1946年の昭和南海地震は南海トラフによる地震と言われています。

宝永地震(1707年)

宝永地震は1707年10月28日に発生した日本史上最大級の地震の一つで、推定規模はM8.6です。

この地震は、東海地方から九州にかけて広範囲で甚大な被害をもたらし、同時に大規模な津波が発生しました。

津波の高さは場所によって異なりますが、高い所では10メートル以上に達したとされています。

特に四国や紀伊半島では家屋が流され、津波による多くの死者が出ました。

そして、この地震の49日後には富士山が噴火(宝永大噴火)しました。

これにより大量の火山灰が東日本一帯に降り注ぎ、農地に火山灰が積もったことで農作物が壊滅的な被害を受けました。

昭和南海地震(1707年)

昭和南海地震は、1946年12月21日に発生したM8.0の巨大地震です。

これは南海トラフで発生した一連の大地震の一部と考えられており、四国や紀伊半島の沿岸部を中心に甚大な被害をもたらしました。

地震によって約36,000戸の家屋が全壊、10万戸以上が半壊または損壊しました。

特に木造建築が多かったため、耐震性の低い家屋が次々と倒壊しました。

鉄道や道路の多くが崩壊し、救援活動が大幅に遅れました。特に山間部では、崩壊した道路が復旧に時間を要しました

想定される「南海トラフ地震」の被害

南海トラフ地震は、マグニチュード8〜9に達する大規模な地震になると考えられており、最大で震度7の強い揺れが広範囲に発生する可能性があります。

特に、四国、九州、近畿地方を中心に激しい揺れが想定されています。

また、南海トラフ地震に伴なって太平洋沿岸地域に大規模な津波が発生する可能性が極めて高いと予測されています。

政府の推計では、津波の高さは地域によっては10〜20メートルに達すし、これにより沿岸部の低地にある住宅や施設が浸水し、大規模な被害が想定されています。

古い木造住宅や耐震性の低い建物は、大規模な揺れにより全壊または半壊するリスクがあります。

また、地震の発生後には火災も発生しやすく、家屋が密集する都市部では特に火災による二次被害が深刻化することが予想されています。

過去に南海トラフによる地震が発生した時に比べて建物の耐久性は向上していますが、まだまだ古い建物も多く、さらに津波による被害は防ぎようもありません。

建物の被害、インフラの復旧費用、産業や観光業への影響などが含まれ、特に日本の主要産業拠点が集中する地域への打撃が大きく、経済的損失は数百兆円規模に上る可能性があります。

南海トラフはいつ起きる?

南海トラフ地震の発生時期については、正確な予測は不可能とされています。

しかし、過去の地震周期を見ると、南海トラフ地震はおおむね100〜150年の間隔で発生しています。

前回の南海トラフ地震は1946年の昭和南海地震から約80年が経過しているため、今後30年以内に70〜80%の確率で発生すると言われています。

南海トラフ地震が不動産に与える影響

物件価格の変動

南海トラフ地震は発生するまでにも物件価格にも影響を与えます。

地震リスクが高い地域では、物件に対する信頼感の低下や安全性への懸念からその需要が減少し物件価格が下落する可能性があります。

一方で、耐震性の高い新築物件や地震リスクが低い地域の物件には需要が集中し、価格が上昇する傾向も考えられます。

投資家としては、こうした市場の動向を把握することが重要です。

建物の損壊

南海トラフ地震の発生により、物件が損傷する可能性が高く、最悪の場合には完全に失われることもあります。

特に古い建物や耐震基準を満たしていない物件は、倒壊リスクが高くなります。

1981年以前に建てられた「旧耐震基準」の建物は耐震性能が劣るため、投資家はこれらの物件の耐震補強を検討する必要があります。

液状化

地盤の弱い地域では、地震発生時に液状化現象が発生し、地面が傾いたり沈んだりするリスクがあります。

特に埋立地や沿岸部ではこの現象が顕著で、賃貸物件の入居率や不動産価格に大きな影響を与えるだけではなく、今後この土地に建物が建てられるまでに莫大な年月を要するという事態になる可能性もあります。

経済打撃

大規模な地震が発生した場合、物件の損壊やインフラの被害という直接的な打撃のみならず、一時的にその地域の賃貸需要が減少する可能性があります。

合わせて震災後の住環境の悪化や災害リスクにより長期的に人口が減少し、経済自体が落ち込み、例え建物が地震被害から耐えられたとしても不動産価値は暴落してしまう可能性があります。

不動産投資家が備えるべき4つの地震対策

地震リスクを考慮した地域選び

物件の立地は地震リスクを考慮する上で最も重要な要素です。

投資対象の不動産は、地震リスクが低い地域や過去に大きな地震が発生していない地域を対象にすることができれば、それが一番良いでしょう。

もし、南海トラフ地震の影響が懸念される地域に投資する場合は、地域の防災対策やインフラの整備状況も確認することで、より安全な投資先を見つけることができます。

また、各自治体が公開しているハザードマップを確認し、地震や津波、液状化リスクが低いエリアを選定しましょう。
これにより、災害発生時の被害を最小限に抑えることができます​

耐震性の高い物件の選定

不動産投資においては、耐震性の高い物件を選ぶことも重要です。

新築物件や耐震基準を満たした物件は、地震による被害を軽減できる可能性が高く、投資の安全性を高めます。

特に1981年以降に導入された「新耐震基準」に基づいて建てられた物件は、耐震性能が向上しており、倒壊リスクが低くなります。

特に南海トラフ地震が予測されるエリアでは、耐震性の高い物件を選ぶことが最優先です​。

また、1981年以前に建てられた物件や耐震基準を満たしていない建物に対しては、投資リスクを軽減するために耐震補強工事が有効です​

投資エリアの分散

いくら地震対策を講じたとしても、地震や津波などの災害によるリスクはゼロにはなりませ。

そのため、もし同じエリアに複数の物件を保有すると、そのすべての資産に大きな影響が及ぶ可能性があります。

エリアを分散することで、リスクヘッジが可能になり、1つの地域が被災しても他の投資物件が収益を維持できる可能性が高まります

地震保険に加入

地震による被害をカバーするためには、火災保険と地震保険への加入が必須です。

地震保険は、地震、津波、噴火による損害を補償し、万が一の被害時に投資物件の再建や修繕費用をまかなう手段として重要です​

不動産投資における保険加入は基本的には任意ですが、多くの金融機関は火災保険や地震保険への加入をローン契約の条件として求めることがあります。

地震被害に対して地震保険を契約している場合、保険金を請求することができますが、保険金の支払いには条件や免責事項があり、必ずしも全額がカバーされるわけではありません。

また、保険請求手続きには時間がかかることが多く、すぐに支払いがされない場合も多いです。

まとめ

  • 南海トラフ地震は今後30年以内に70〜80%の確率で発生すると言われている
  • 南海トラフ地震は最大震度7の揺れや10m以上の津波が予測されており、古い建物や耐震性の低い物件は全壊のリスクが高い
  • 地震発生前から物件価格に影響を与え、地震後は損壊や液状化のリスクやインフラや経済的への打撃が懸念される
  • 地震リスクが低い地域を選ぶ、耐震性の高い物件を選定する、投資エリアを分散する、地震保険に加入するなどの対策が推奨される

最後までお読みいただきありがとうございました。

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