この記事では
”米国雇用統計”
についてわかりやすく解説します
米国雇用統計が発表され株価は低迷…
日本時間2024年9月6日21時30分。
米国労働省が8月の米国雇用統計を発表しました。
8月の結果は7月と比べて改善されましたが、事前の予測を下回る結果となってしまいました。
それをきっかけに米国株式は大きく下がり、米国株式市場NASDAQに上場している約3,000銘柄の平均指数「NASDAQ（ナスダック総合株価指数）」は一時は約2.5％下落しました。
日本株式については、発表されたのが金曜日の夜なので現物市場が閉まっており変動していませんが、24時間取引が行われている先物取引市場は発表直後に一時は1,100円以上も値を下げました。
さらに暗号資産（仮想通貨）界隈も大きく反応しました。
ビットコイン（BTC）価格は発表を受けて3,000ドル以上値下がりし54,000ドルを割り込みました。
また、それに吊られるようにアルトコイン（ビットコイン以外の仮想通貨）も大きく値を下げました。
まだ記憶に新しい2024年8月6日月曜日。
日本株式市場が1日で－4,451円の大暴落となり、あの1987年世界株価大暴落”ブラックマンデー”を越えて日本株式市場の歴史上最大の下げ幅を記録した日です。
その大暴落を引き起こす要因の1つとなったのも米国雇用統計でした。
米国雇用統計は一体どういうもので、なぜ投資市場にここまでの影響を与えるのでしょうか。
また、米国経済は今後どのようになることが予想されるのでしょうか。
米国雇用統計とは
米国雇用統計とは、米国労働省が毎月発表する米国労働者の雇用情勢情報です。
毎月第1金曜日に発表されます。
主に以下の3つの内容が記されています。
| 非農業部門の雇用者数 | 農業以外の産業で働く人の数とその増減 |
|---|---|
| 失業率 | 失業率失業者数を労働力人口で割って算出される割合 |
| 平均時給 | 農業以外の主要産業における平均時給 |
非農業部門の雇用者数と平均時給は高くなるほど良く、失業率は低いほど良いということになります。
これらの数値の結果は今後の個人消費につながると予想され、個人消費の拡大や縮小は経済に直結します。
つまり、米国雇用統計は現在の米国労働者の状況を表しており、今後の米国経済どうなっていくかを予測できるものなのです。
米国雇用統計の影響が大きい理由
米国雇用統計は米国株式市場のみならず、なぜここまで様々な分野に影響を与えるのでしょうか。
その理由は、アメリカは世界最大の経済大国であり、巨大な投資市場であるからです。
アメリカは国内外から莫大な金額が投資されており、その金額はなんと約5兆～6兆ドル、日本円で約700兆円以上にも及びます。
米国雇用統計は公に発表され大きく報道されるので、当然世界中の投資家に知れ渡ることになります。
もし米国雇用統計において良くない結果が続いた場合、米国金融市場に投資している米国内外の巨大な機関投資家や個人投資家の心理に影響し、投資を躊躇するようになってしまいます。
また、雇用統計結果は米国経済政策、金融政策の内容にも反映されるためドル相場に大きく影響します。
ドル高ドル安は米国企業と取引を行っている世界中の輸出企業、輸入企業の収益に直結することになります。
さらに、もし世界最大の経済大国であるアメリカの経済が悪化し需要が減少すると、取引を行っている輸出企業にも大きな打撃があります。
つまり、米国雇用統計は世界中の投資家心理に影響し、世界中の企業に影響を及ぼすため影響が非常に大きくなるということです。
米国雇用統計から予測される米国経済の今後
今後の米国経済は、
”緩やかに景気減速し、徐々に安定する”
と予想されてます。
アメリカはこれまで政策金利を高くして、金融商品の金利が高くなるようにしてきました。
金利が高い状態が続くと、世界中の投資家がドルを買って米国金融市場に投資しやすい環境となり、米国株式市場は株高となっています。
また、ドルの人気が高まることでドル高となり、物価や賃金が上昇するインフレとなります。
これまでのアメリカはまさにこの状況でした。
しかし、近年のアメリカの異常な賃金上昇や物価高を受け、米国政府は今後徐々に利下げする方針を示しています。
そうなるとそれまでとは逆のことが起こるため、インフレは徐々に収まっていき、ドル高と株高も収まっていくことになります。
アメリカの恐れる未来「リセッション」とは
リセッションとは、”景気の後退局面”という意味であり、好景気から不景気への転換期を指します。
上に挙げたような緩やかにインフレを抑えることは景気減速、つまり経済をプラスから0に近づける行為です。。
しかし、ここで政策を誤ってしまうと、経済をプラスから0を通り越してマイナスとなり、景気減速ではなく景気後退に進んで行ってしまいます。
出典：松井証券「リセッションとは」
https://www.matsui.co.jp/stock/study/article/recession/
もしリセッションとなりそれが長期間続いてしまうと経済状況はどんどん悪化していってしまいます。
米国政府は、雇用統計など経済状況を考慮しつつ、極めて慎重に利下げ行う必要があるということです。
米国投資は行うべきか
個人的には、今の状況では短期的な米国投資はあまりお勧めできません。
今後米国経済は徐々に落ち着き、ドル円も徐々に円高に向かうと予想されているからです。
つまり、高い買い物になっているという可能性があるからです。
しかし、長期投資や積み立て投資は、基本的には早く始めた方がよいとされているため、必要以上に今の経済状況を気にする必要はないでしょう。
しかし、2024年11月にはアメリカ大統領選挙が控えています。
毎月発表される米国雇用統計せされこれだけの影響が出るほど、米国経済動向と政策は注目されています。
アメリカ大統領選挙では大きな状況の変化が想定されます。
米国株投資を悩んでいる方は、大統領選挙を結果を見てからの方が安全であると言えるでしょう。
まとめ
- 米国雇用統計とは、米国労働者の雇用情勢の情報
- 米国に投資している投資家心理に影響を与え様々な投資商品に影響を与える
- 今後米国経済は緩やかに減速していくと予想される
- 米国投資は大統領選挙の結果を見てからの方が安全
最後までお読みいただきありがとうございました。
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