【反トラスト法違反容疑】エヌビディアの株価がまた暴落…その理由とは?好決算でも株価が下がりやすい理由をわかりやすく解説

管理人タケ
管理人タケ

この記事では

”エヌビディアの株価が下がりやすい理由”

についてわかりやすく解説します

エヌビディアの株価が暴落…その原因は?

日本時間2024年9月3日。

米国企業エヌビディア(NVIDIA)の株価が約10%暴落しました。

エヌビディアの時価総額はたった一夜にして約2,800億円も下がってしまいました。

これは1銘柄の暴落としては過去最高の減少とのことです。

なぜこんなにも株価が下がってしまったのでしょうか。

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株価が暴落した原因

エヌビディアの株価がここまで暴落した原因は、

“反トラスト法に抵触する疑いをかけられ米国司法省の強制捜査が始まったから”

です。

反トラスト法とは、日本で言うところの独占禁止法です。

わかりやすく言えば、エヌビディアが半導体において他者の参入を妨害し、買い手の選択肢を自社のみに制限されるよう仕向け、実質的に相場価格の決定権を握れるようにしているのではないかというような疑いです。

エヌビディアはAI関連製品には必要不可欠な半導体というパーツにおいて、世界で圧倒的に高いシェアを誇っています。

そのため、AI業界の成長=エヌビディアの成長というような図式が成り立っているのが現状です。

その状況について米国司法省は、エヌビディアが反トラスト法に抵触する可能性があるという疑いを以前から持っており、質問状を送るなどのアクションを起こしていました。

それについてエヌビディア側は、

「現在のシェアは自社製品の性能の高さによるものであり、取引先は自社の製品を選んで購入している。」

と疑いを否定し続けていました。

今回強制捜査が始まった背景には、11月の大統領選挙の影響があるとも言われています。

要するに、しっかりと役割を全うしているというアピールを現職の在任中にしておくという思惑が含まれているのではないか、ということです。

反トラスト法は巨大企業の宿命?

反トラスト法は、企業は公正かつ自由に競争できる環境であるべきという考え方に基づいています。

そのため、ひとつの分野においてあまりにも大きなシェアを誇る企業は、

「他の企業が不利になるようなことをしているのでは?」

というような疑いが持たれがちです。

ここ最近では、2023年にアマゾン(Amazon)が主力のネット通販事業において、サイトに出店している事業者に多額の手数料を請求し不法に独占的な地位を維持しているとして、反トラスト法の違反容疑で裁判所に提訴されました。

また今年2024年の8月には、グーグル(Google)がインターネット検索と広告において現在の独占状態を維持するために「反競争的かつ排他的な慣行」を実施しており、反トラスト法の違反容疑で提訴されました。

また、これについてはコロンビア特別区連邦地方裁判所が主張を認める判決を下しています。

また最近では、

「米国司法省はグーグルの事業分割を視野に入れた是正措置を検討しているのではないか」

と複数のメディアに報道されています。

エヌビディアの株価は暴落しやすい?

上で紹介したアマゾンやグーグルの出来事は当然ながら株価に影響を与えることとなりました。

しかし、今回のエヌビディアに比べると影響は遥かにに少なく済んでいます。

2023年のアマゾンが提訴されたときは約3%、今年2024年にグーグルが提訴されたときは約4.5%程度の下落でした。

では、今回のエヌビディアは捜査が始まったというだけでなぜ10%近くも株価が暴落してしまったのはなぜでしょうか。

その理由は、

“エヌビディアの株価には将来の企業価値が多分に反映されているから”

です。

これについては、PBRという指標を見るとわかりやすいです。

PBRを簡単に言うと、企業の資産と株主の評価(=株価)がどれだけ離れているかということを表す指標です。

PBR=1が株価と企業の資産額がちょうど釣り合っている状態です。

PBRが1よりも大きくなるほど、株価が企業の資産額よりも高くなっている状態、つまり株価が割高の状態であるということです。

アマゾン、グーグル、エヌビディアのPBR(株価純資産倍率)を比べてみるとこのようになります。

銘柄 アマゾン グーグル エヌビディア
RBR 7.82 5.88 50.53

※2024年9月5日時点

参考:https://jp.tradingview.com

これを見ると、エヌビディアのPBRはグーグルやアマゾンに比べて非常に大きくなっています。

これは成長過程の企業にはたまに見られる現象で、将来的に会社が今より大きくなり資産価値が高くなるという投資家の期待が株価に反映されている状態です。

エヌビディアはグーグルやアマゾンのような成熟しきった企業とは違いまだ成長過程で、今後AI市場の拡大と比例して大きく成長すると期待されています。

よく言えば将来性があるという証であり、悪く言えば業績や取り巻く環境が悪くなり将来が不安視されると株価は大きく下落する危険性があるということです。

まさにこれを象徴する出来事が今年の8月28日に起こりました。

エヌビディア2024年5~7月期の決算発表です。

売上高は前年同期比122%増の約30億ドル。

純利益は前年同期比170%増の約166億ドル。

エヌビディアらしい文句のつけようがない内容であり、さらに事前の市場予想も上回る内容でした。

それにも関わらず、翌日のエヌビディアの株価はなんと8%も下落してしまったのです。

理由はいくつかあるようですが、その1番大きな理由は、

“投資家の期待値を越えなかったから“

というものです。

投資家のエヌビディア評価は、業績は昨年より良くなって当然、市場予測も越えてきて当然、どれだけ予想を上回ることができるかがポイントとなっているのです。

つまり、

「これだけしか市場予測を上回れないようではダメだ」

という非常に厳しい評価が下されたということです。

今のエヌビディアの株価は現在の企業価値に将来の期待値を含んだ価格であり、マイナス要素があると株価が下がってしまいやすいということです。

エヌビディアの株価はどこまで下がる?

ではマイナス材料に弱い、エヌビディアの株価はどこまで下がる可能性があるのでしょうか。

これについての専門家の予測は、データや傾向から分析するテクニカル的な予測と、財務や経営状況などの情報から分析するファンダメンタル的な予測が存在します。

テクニカル的視点

テクニカルについての詳しい解説は避けますが、今回の暴落の余波はまだしばらく続くと見られて、株価は短期的にまだ下がるだろうと予測されています。

一番低いサポートラインは90ドル付近であるという予想もあります。

しかし、長期的視点ではまだ株価は堅調な状態にあるとされ、今後も上昇トレンドは持続するという予想が多くあります。

ファンダメンタル的視点

AI関連の分野は今後発展が続くとされ、2030年には現在のおよそ30倍の市場規模になっていると言われています。

さらに、エヌビディアの業績や決算内容は極めて順調であることは周知の事実です。

短期的には浮き沈みが大きいエヌビディア株価ですが、将来を見据えると株価は今後も上昇し続けるという予想が多いです。

またもし100ドルを割ったら買い増すべきだという意見も多くみられます。

まとめ

  • 今回のエヌビディアの株価暴落の要因は反トラスト法違反容疑で捜査が始まったから
  • エヌビディアの株価は現在の企業価値に期待値を含んだ状態
  • エヌビディアの株価はマイナス要素に弱く暴落しやすい特徴がある
  • 長期視点ではまだ株価は上昇するという見方が強い

最後までお読みいただきありがとうございました。

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