この記事では
”残クレ”
についてわかりやすく解説します。
- ハイクラス車に乗る若者が急増中
- 残クレって何?車やスマホが安く買える理由
- 返済後の選択肢は2つ
- 残クレとサブスクの違い
- スマホでも見られる「残クレ」
- 「残クレ」を利用するメリット
- 「残クレ」のデメリット、注意点
- 残クレを利用する際に気をつけたいポイント
- 残クレが向いている人
- 残クレが向いていない人
- まとめ
ハイクラス車に乗る若者が急増中
最近トヨタのアルファードや日産のエルグランドなどのハイクラス車に乗る若者が増えています。
どちらも若者に人気が高くファミリーカーとしても需要の高い車ですが、価格帯が高いことが特徴であり、オプションによっては800万円を越える価格になる場合もあります。
例えば800万円のアルファードを購入する場合、金利を7%、返済期間を5年間としてローンを組んだ場合、支払う総額は約950万円となります。
月々に直すと約15万円~16万円という非常に高額の支払いになってしまいます。
同じ条件で返済期間を7年ローンにしても、月々12万円の支払いが必要になってしまいます。
まだ収入が増えにくい若者にとっては、この金額は非常に大きなハードルと言えるでしょう。
ではなぜ、近年アルファードやエルグランドに乗る若者がふえているのでしょうか。
その秘密が
「残クレ(残価設定ローン)」
であると言われています。
残クレって何?車やスマホが安く買える理由
「残クレ(残価設定ローン)」とは?
「残クレ(残価設定ローン)」とは、車やスマホなどを購入する際にあらかじめ残価(商品を一定期間後に売却する際の価値)を設定し、その差額をローンで支払う仕組みのことです。
主に車やスマホなどで利用されることが多いです。
月々の支払いが安くなる仕組み
通常のローンであれば、当然車やスマホの全額を支払う必要があります。
しかし、「残クレ」では残価の支払いを後回しにすることで、支払う金額を減らすことができるのです。
簡単に言うと、数年後に車を売ることを条件に、その差額分だけ支払うという仕組みになっています。
例えば、
- 車の購入価格が800万円
- 期間5年間
- 残価を500万円に設定
という場合、差額の800万円-500万円=300万円だけを5年間で支払えばいいことになります。
そうなると、月々の支払いは約55,000円と非常に安くなり、通常のローンに比べて半額以下に抑えた状態で購入することができるのです。
返済後の選択肢は2つ
「残クレ」の返済期間が終了した後は次の2つの選択肢が用意されています。
返却する
「残クレ」の契約期間が終了すると、返却することができます。
この場合、契約時に設定した残価(契約終了時の車の価値)に基づく返却条件に従います。
ただし、車の状態や走行距離が多すぎたり損傷がある場合、現在の価値が残価より低いと判断されてしまい追加費用が発生することがあります。
残価を支払って買い取る
契約終了時に設定された残価を支払うことで、完全に自分のものとして購入することができます。
残価の支払い手続きには、通常、ディーラーや金融機関との調整が含まれます。
ここで商品の全額を支払って初めて、所有権が所有者に移ることになります。
数年乗ってみて乗り心地や使用に満足していれば買取り、そうでなければ返却という選択が可能ということです。
残クレとサブスクの違い
サブスクは言わば”使い放題”のプランのことですが、買取、つまり所有権を得ることはできません。
またローンを組むこともありません。
一方で「残クレ」は、ローンを組む必要があり、期間が終了すると途中で返却するか、最終的に全額支払って買い取るかを選ぶことができるのです。
スマホでも見られる「残クレ」
「残クレ」は元々は車の購入時に登場したシステムですが、近年はスマホでも見られます。
アイフォンやアンドロイドスマホの価格も高騰しており、10万円を越える金額は当然、20万円を越える金額のものも少なくありません。
せっかく高いスマホを購入したのであれば長く使用したいものですが、スマホは新しい製品が発表されるスパンが非常く、技術進歩のスピード早いです。
そのため、頻繁に新しい製品が欲しいという要望が多く、「残クレ」のシステムが適しているのです。
「残クレ」を利用するメリット
低コストで購入できる
「残クレ」最大のメリットは、コストを低く抑えることができるということです。
通常、最新のモデルの車やスマホを購入しようとすると高い費用になりがちですが、「残クレ」を利用すれば月々の支払いが安く抑えて購入することが可能です。
最新のモデルに常に乗り換えられる
「残クレ」は一定期間だけの使用を条件にコストを抑えるという購入方法です。
つまり、飽きやすく頻繁に人気モデルや最新のモデルに乗り換えたいという人にとっては、とても理想的な仕組みなのです。
ライフステージに応じた車の乗り換えが可能
将来の状況を見越して購入後の選択肢が柔軟に取れる点も大きな魅力です。
例えば20代前半では自分の好みに合った車、20代後半では彼女とアウトドアに行けるSUV車、30代では家族で出かけられるファミリーカー、といった具合に自分のライフステージに応じた車に短期間で乗り換えることができます。
また近い将来に車が不要な地域へ引っ越す予定があるなど短期間だけ車を保有したいという方にとっても便利な仕組みと言えます。
金利が通常のカーローンより低い傾向
一般的なカーローンの金利は7%前後であることが多いですが、「残クレ」の金利3~5%程度のものが多いようです。
また、「残クレ」はディーラー目線でも上質な中古車が手に入るというメリットがあるため、様々なキャンペーンが頻繁に行われており、さらに低い金利で購入できる可能性もあります。
「残クレ」のデメリット、注意点
多くのメリットがある残クレには、もちろんデメリットも存在します。
これらは購入時に説明を受けるはずですが、スラスラと流れるような説明にしっかり理解できていないのに契約してしまった人もおおいのではないでしょうか。
「残クレ」を利用する際に注意すべき点を見ていきましょう。
残価に満たない場合に支払いが発生
「残クレ」は残価との差引のみの支払いすることで支払い金額を抑える方法です。
しかし、ここで重要なのはその前提となっている残価の設定金額です。
残価とは数年後の売却金額なので、もし数年後の価値が残価分に満たなければ成り立ちません。
もし、残価が予想よりも低くなった場合、その差額は返却時に負担する必要が出てきます。
車の場合、例えば走行距離が多すぎたり、車の状態が悪かったりすると返却時に追加費用が発生する可能性があります。
スマホの場合も、キズや破損があると返却時に減額されることがあります。
特にスマホは日常的に使うものなので、キズや画面の割れなどが発生しやすいです。
改造やデコレーション不可
「残クレ」は全額支払うまでは所有者に所有権がなく、いわば”借りている”状態になります。
そのため車を改造したりスマホにパーツを取り付けたりすると、購入時の状態に完全に戻す義務(原状回復義務)により多額の費用が発生します。
そのため、実質的にパーツの取り付けやデコレーションはできません。
車は走行距離規制あり
車を残クレで購入した場合、走行距離規制があることが一般的です。
その場合、年間でおよそ1万kmから1万5千km以内に収めなければならず、それを上回ると追加の支払いを求められる場合があります。
金利は全額にかかる
一番勘違いされがちなこととして、「残クレ」のローン金利があります。
「残クレ」のローン金利は支払額ではなく価格全体に対して発生します。
上の例と同じく800万円のアルファードを残価500万円で返済期間5年の「残クレ」で購入した場合で考えてみましょう。
通常300万円の車を金利7%の5年ローンで購入すると、支払いの総額は約350万円となり、約50万円が金利分の支払いとなります。
支払金額は800万円-500万円=300万円となりますが、ローンの金利はこの差額300万年にのみ対象というわけではなく、価格800万円全額が対象となります。
そのため金利が高くなり、支払いの総額は約400万円、約100万円が金利分の支払いとなり、金利を計算すると12.5%となります。
つまり、「残クレ」を利用すると額面上よりローン金利が高くなる場合があるということです。
残クレを利用する際に気をつけたいポイント
残クレで多く見られるパターンは以下のようなものです。
- 「残クレ」で車を購入
- 残価設定に満たない
- 再度ローンで残価の買取
例えば、
- 車の購入価格が800万円
- 期間5年間
- 残価を500万円に設定
- 金利7%
の「残クレ」で購入したとします。
そして5年後、車の価値が500万円に満たなかったため、差額の支払いか残価500万円を求められたため、あなたは残価を支払い買い取りを選択します。
しかし買取を想定していなかったあなたは一括での出費ができないため、金利7%、返済期間7年間のローンで支払うことにしました。
- 車の残価が500万円
- 期間7年間
- 金利7%
これはつまり、800万円の車を7%の12年ローンで購入したことと同じことになり、総支払額は1,100万円程度まで高くなってしまいます。
車のローン返済期間は最長で7年のため、それよりも長く細々と返済するような構図となり、総支払額は大きくなってしまうのです。
走行距離を抑えながら気を付けて乗っていたにもかかわらず、最終的に高い金額で購入したとなっては割に合いません。
残クレが向いている人
残クレは、”支払いが割高になってもいいから常に最新モデルの車やスマホを使いたいという方”にオススメです。
特に、車好きだけどまだ収入が滝とは言えない20代の男性などに良く受け入れられている制度です。
残クレなら、短期間で車を手放しても大きな損をすることなく、どんどん次のに乗り換えることが可能です。
残クレが向いていない人
残クレは、”モノに愛着が沸きやすくて何でもできるだけ長く使用したい人”にはおススメできません。
しかし、長く使用したい理由がコストであるならば、内容によっては通常のカーローンよりも金利が低くなる場合があるため、一概に通常ローンより高コストになるとは言えません。
購入するディーラーでシミュレーションをしてもらうと良いでしょう。
まとめ
- 「残クレ」は購入価格から残価(商品を一定期間後に売却する際の価値)を差し引き、その差額のみ支払うことでコストを抑える仕組み
- 返済後は返却するか、残価を支払って買い取るかの選択肢がある
- 最新モデルに低コストで乗れる、ライフステージに合わせた車の乗り換えが可能
- 走行距離や車の状態によっては設定した残価に満たない場合があり、その場合は追加費用が発生する
最後までお読みいただきありがとうございました。
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