【ドナネマブが日本で承認】世界時価総額9位の製薬会社「イーライリリー(Eli Lilly)」とはどんな企業なのかわかりやすく解説

管理人タケ
管理人タケ

この記事では

”イーライリリー”

についてわかりやすく解説します

 

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イーライリリーとは

イーライリリー・アンド・カンパニー(Eli Lilly and Company)は、アメリカインディアナ州インディアナポリスに本社を置く製薬会社です。

1923年に世界で初めてインスリンを開発したイーライ・リリー氏によって設立されました。

世界中に向けて医薬品の提供を行うと同時に、”研究開発こそ企業の魂である”という理念のもと新薬の研究開発に多額の投資を投じ続けてきたことで、2024年8月現在の時価総額は約7,500億ドル(日本円約111兆7500億円)の超巨大企業に成長しました。

日本にも拠点があり、兵庫県神戸市に日本イーライリリー株式会社が設立されています。

 

イーライリリーの何がすごい?

世界企業の時価総額第9位

イーライリリーの2024年8月現在での時価総額は約7,500億ドル(日本円約111兆7500億円)であり、世界企業の時価総額第9位となっています。

■世界の時価総額ランキング ※2024年8月時点

01 Apple(アップル)
02 Microsoft(マイクロソフト)
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04 Alphabet(アルファベット)
05 Amazon.com(アマゾンドットコム)
06 Saudi Arabian Oil(サウジアラムコ)
07 Meta Platforms(メタプラットフォームス)
08 Berkshire Hathaway(バークシャーハサウェイ)
09 Eli Lilly(イーライリリー)

出典:180.co.jp「世界時価総額ランキング」

https://www.180.co.jp

 

インスリン製剤の開発と普及

イーライリリーは”インスリン製剤”の開発と普及に貢献した企業です。

インスリンは1921年にカナダのフレデリック・バンティング医師とチャールズ・ベスト助手により発見されました。
その後、イーライリリーはトロント大学と共同でインスリン製剤化の研究を行い、1923年に世界で初めてインスリン製剤「アイレチン」の生産と一般販売を実現しました。
また、1979年にイーライリリーは組み換え遺伝子技術を用いてヒトインスリンの生産に成功し、1981年には大腸菌を用いたプロインスリン遺伝子によるヒトインスリンの生産を開始しました。

イーライリリーによってインスリン治療がより手軽で効果的なものとなり、多くの糖尿病患者の命が救われることとなりました。

 

アルツハイマー治療薬「ドナネマブ」を開発

ドナネマブとは、イーライリリーが開発した軽度アルツハイマーの進行を遅らせる効果が確認された新薬です。

脳内に蓄積されるアミロイドβというタンパク質を標的とし、その除去を助けることで、認知機能の低下を抑制する効果が期待されています。

2023年の臨床試験では、ドナネマブはアルツハイマーの初期段階患者に対して病気の進行を20〜30%遅らせる効果が確認されました。

また、日本では2023年9月に厚生労働省に承認申請が提出され、2024年8月1日に認可され、国内ではエーザイとバイオジェンが共同開発した「レカネマブ」に続く2例目となりました。

重度アルツハイマーになるとあまり効果が望めないようですが、アルツハイマーという誰しも直面する可能性のある問題に対して、希望の光が見え始めていると言えます。

 

イーライリリーの株価推移

イーライリリーの直近のチャートは以下のようになっています。

https://jp.tradingview.com/

イーライリリーの株価は近年高騰しており、2023年初めから2024年までの間に約50%上昇しています。

その要因は大きく以下の2点が挙げられます。

 

肥満症治療薬「ティルゼパチド」の売上

イーライリリーが開発した肥満症治療薬「ティルゼパチド(ゼップバウンド)」の売上が好調となっていることが株価に良い影響を与えています。

ティルゼパチドは2023年11月に米国で承認され、同年12月からアメリカ国内で発売されています。

使用した肥満治療患者や医療機関からは効果的であるという高い評価が得られており、2024年の第2四半期において、ティルゼパチドの売上高は12億ドル(日本円約1750億円)に達し、市場予想を大幅に上回りました。

また、2024年7月には中国においても承認を受けたことで、さらに巨大な市場を開拓したことになり、今後も高い需要が期待されています。

 

アルツハイマー治療薬「ドナネマブ」の開発

先述のドナネマブの開発成功もイーライリリーの株価にも大きな響を与えました。

2024年6月にFDA(米食品医薬品局)がドナネマブの有効性を認めたことを受け、イーライリリーの株価は約1.8%上昇しています。

 

米国銘柄イーライリリー株(LLY)の魅力

イーライリリー株の最大の魅力は将来性です。

イーライリリーは研究開発に多額の投資を行っており、売上の約27.3%に当たる約93億ドルもの資金を毎年研究開発費に充てています。

これは製薬企業としては破格の金額であり、この新薬開発力によりこれまで多くの製品を生み出してきました。

代表的なものとしては、糖尿病治療薬のトルシティやヒュマログ、がん治療薬のアリムタやジェムザールなどが挙げられます。

”研究開発こそ企業の魂である”という理念のもと、今後も高い新薬開発力により成長が期待される企業であり、将来的な株価の上昇が期待されます。

 

米国銘柄イーライリリー株(LLY)の不安要素

イーライリリー株の不安要素はライバル企業との競争です。

製薬企業において、新薬開発の結果は株価に直結します。

株価を伸ばしていくためには、今後の新薬開発において競合するライバル社との競争に勝ち続ける必要があります。

イーライリリーのライバル企業とも言われているスイスの製薬会社「ロシュ」について、2024年7月には肥満症治療などの候補薬「CT-996」が、初期段階の臨床試験で平均約7%減量できる結果を得たと発表されました。

また、デンマークの製薬会社「ノボノルディスクファーマ」が開発した肥満症治療薬「ウゴービ」について、日本において2023年11月22日から保険適用の対象となっており、需要が高まっています。

このように、製薬業界は常に新薬開発競争にさらされており、世界時価総額第9位のイーライリリーであっても今後もトップを走り続けられるという保証はありません。

 

イーライリリーの株は買うべきか

結論か言うと、投資を始めたばかりの段階では優先的に購入する必要はないと思います。

理由は以下の3つです。

  • 配当が低い

イーライリリーは配当金が非常に低いため、将来的に企業がさらに成長することを期待して長期保有するか、短期的に売買して差益を得るかになります。

どちらにせよキャピタルゲインを得るしか方法はなく、インカムゲインを狙う投資に比べてややリスクが高いと言えます。

  • 株価の変動が激しい

イーライリリーだけではなく製薬会社の銘柄は株価の変動が大きいという特徴があります。

その主な理由は、製薬会社には多くのリスクが存在しているからです。

  • 新薬開発の不確実性
  • 薬の副作用や健康被害
  • 特許切れによる利益低下

これらのリスクにより株価が暴落してしまうという可能性も十分に考えられます。

  • 株価が高い

2024年8月現在でのイーライリリーの株価は日本円で13万円を越えています。

米国株は基本的に1株単位で購入できますが、それにしても安く手に入るものではありません。

もしイーライリリーの株を購入するのであれば、将来さらに企業価値が高まり株価が上がることを狙い、キャピタルゲイン狙いで長く持ち続けることをお勧めします。

 

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まとめ

  • イーライリリーは世界最大の製薬会社
  • 新薬開発に多額の資金を投じることで成長を続けている
  • ライバル企業との競争に勝てば今後も大きく企業価値が高まる可能性がある
  • 配当利回りは低いため、将来的な成長に期待してキャピタル狙いの長期保有がおすすめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

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