この記事では、
”自己資本比率”
”配当性向”
について
わかりやすく解説していきます
銘柄の将来性や安全性を判断する指標
いよいよ始まった新NISA制度。
今年から新しく投資を始めたという方も多いのではないでしょうか。
初心者におすすめな投資の一つとして”高配当株投資”があります。
株を持っているだけで配当金がもらえるので、簡単で株の楽しさを知ることができます。
株を買ったら長く持ち続けたいけれど
「将来的に配当金が減らされたりしないだろうか」
「この先どんどん株の価値が下がっていったらどうしよう」
と不安になり中々足を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
この記事では銘柄の将来性や安全性を判断する上で便利で簡単な指標を紹介します。
自己資本比率
自己資本比率とは
自己資本比率とは、
”企業の総資産のうち自己資本の比率”を表す指標です。
自己資本とは、企業が持つ返済が不要な資金のことです。
事業で得た利益や株式発行で獲得した資金が自己資本にあたります。
例えば、
- 総資産 1,000万円
- 自己資本 500万円
という企業があったとします。
自己資本比率は総資産のうち自己資本の比率を表すものなので、この会社の場合は、
500万円(自己資本)は1,000万円(総資産)の何%か
ということになり、
自己資本比率50%
ということがわかります。
自己資本比率の使用方法
自己資本比率は主に、
”企業経営の健全性や安定性”
を判断するのに使用されます。
- 自己資本比率が高い=経営の健全性や安定性が高い
- 自己資本比率が低い=経営の健全性や安定性が低い
という判断ができます。
総資産がどれだけ多くあってもそのうち大半がいずれ返済する資金であった場合、一時的に経営状況が苦しくなるとたちまち経営が回らなくなり、自転車操業や不渡りの危機を迎えてしまいます。
一方で総資産がそれほど多くなくても、返済が少なければ一時的な経営難は自力で堪えることができます。
単刀直入に言えば、自己資本比率が高ければ倒産しにくい会社であるということになります。
また自己資本が多いということは、これまで健全で安定的な経営を続けてきたという証とも言えます。
自己資本比率の目安
自己資本比率の目安は30%以上と言われています。
つまり、
- 自己資本比率が30%以上=経営の健全性や安定性が高い
- 自己資本比率が30%未満=経営の健全性や安定性が高い
という判断ができます。
ただしこの目安は界によって異なり、飲食業界では20%以上あれば高い方であり、逆に情報通信業界であれば40%以上ないと低い部類に入ってしまいます。
あくまで目安であるという認識が重要です。
自己資本比率の計算方法
- 自己資本比率=自己資本 / 総資産×100(%)
自己資本比率の確認方法(SBI証券)
- SBI証券のWEBサイトを開く
- 上部の株価検索で銘柄名やコードで検索する
- 「四季報」タブを選択
- 「財務状況」を選択
配当性向
配当性向とは
配当性向とは、
”純利益のうち株主への配当金の比率”を表す指標です。
純利益とは、企業が1年間で得た利益から人件費や税金などを引いた会社に残る利益のことです。
株主優待でもらえる商品や金券などは含まれません。
例えば、
- 純利益 1,000万円
- 配当金 400万円
という企業があったとします。
配当性向は純利益のうち株主への配当金の比率を表すものなので、この会社の場合は、
400万円(配当金)は1,000万円(純利益)の何%か
ということになり、
配当性向40%
ということがわかります。
配当性向の使用方法
配当性向は主に、
”企業の株主還元と成長投資のバランス”
を見るのに使用されます。
- 配当性向が高い=株主還元に積極的で成長投資に消極的
- 配当性向が低い=株主還元に消極的で成長投資に積極的
という判断ができます。
株主還元に積極的な企業は投資家としては大変嬉しい限りですが、株主への還元が多いということは人材や研究費など企業が成長するための投資力を削っていることになります。
配当性向の目安
配当性向の目安は30~40%と言われています。
つまり、
- 配当性向が40%以上=株主還元に積極的で成長投資に消極的
- 配当性向が30%未満=株主還元に消極的で成長投資に積極的
という判断ができます。
ただし、純粋に数字だけ見るのではなく企業の規模やキャリアなどと合わせて見ることが大切です。
まだ成長中のベンチャー企業の配当性向が高い場合、企業としての今後の成長に対する投資が不十分となってしまう場合があります。
また、一時的な資金集めのために無理な配当を行っているとも読み取れ、いずれ配当金が下がってしまう可能性も予測できます。
一方で大企業が一時的に大きな利益を上げた場合、ある程度配当金を還元したとしても分母の利益が大きいため数字上配当性向が低くなります。
あくまで目安であるという認識が重要です。
配当性向の計算方法
- 配当性向=配当金支払額 / 純利益×100(%)
配当性向の確認方法(SBI証券)
- SBI証券のWEBサイトを開く
- 上部の株価検索で銘柄名やコードで検索する
- 「四季報」タブを選択
- 「財務状況」を選択
- 1株配(円)÷1株益(円)で計算
自己資本比率と配当性向の使い分け
- 自己資本比率 = 将来的な株式の価値
- 配当性向 = 今の配当金に無理がないか
を判断する材料としてそれぞれ適しています。
どちらも企業の将来を占うための指標ですが、自己資本比率は将来的に株価が下がらないか、配当性向は今の配当金が今後も続きそうかを予測するために使用すると良いでしょう。
投資におすすめ証券会社
SBI証券
松井証券
moomoo証券
まとめ
- 自己資本比率=企業経営の健全性や安定性を判断するための指標
- 配当性向=企業の株主還元と成長投資のバランスを見るための指標
- あくまで判断の目安として使用し過信は禁物
最後までお読みいただきありがとうございました。
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