”投資+保証”のハイブリッド、アクサ生命「ユニットリンク保険」についてわかりやすく解説| 注意すべきポイントとは【利回り実績と手数料】

タケ

この記事では、

”アクサ生命の変額保険

「ユニットリンク保険」”

について

わかりやすく解説していきます

この記事では、

アクサ生命の変額保険

ユニットリンク保険

について解説していきます。

 

変額保険とは

まず変額保険とについて簡単に解説します。

変額保険とは、

”運用結果により返戻金が変動する生命保険”のことです。

通常の生命保険は、”毎月いくらで何年間支払ったらいくら戻ってくる”という具合にあらかじめ結果が決まっているものがほとんどです。

しかし、変額保険はそれが決まっていないわけなので、当然運用結果がマイナスで終わってしまうというもあり得ることになります。

中には”運用結果がどうなろうと何円以下にはならない”といった最低限保証が設定されているものもあります。

 

 

"ユニットリンク型保険"とは

保証+投資を組み合わせた保険

ユニットリンク型保険とは商品名ではなく保険の種類のことです。

簡単に説明すると以下の2つの特徴があります。

  • 特徴1. 保険料の一部が投資に回される

保険料の一部は特別勘定(他の保険商品とは資産を分けて独立した運用を行うこと)に投資され、その結果に応じて資産価値が増減すします。

つまり、結果が悪ければマイナスになってしまうリスクがあります。

 

  • 特徴2. 死亡や特定の病気の際に保険金が支払われる

契約者が死亡した場合、あるいは特定の病気になった際などに保険金が支払われます。

保険金は独立勘定の運用結果には左右されず、一定額が保証されています。

 

つまり、ユニットリンク型保険とは、貯蓄と保証の両方の機能を持った養老保険タイプの生命保険です。

言い換えると、万が一の保証が付いた投資信託のようなものとも言えます。

 

「ユニットリンク保険」の特徴

万が一の際は保険が受けられる

アクサ生命の提供する「ユニットリンク保険」とは、

”アクサ生命が2008年9月から運用・販売しているユニットリンク型の変額保険”です。

ユニットリンク型なので、運用結果により返戻金が増減しますが、死亡時など万が一際は一定の保証が受けられます。

 

  • 「ユニットリンク保険」保証内容
保証内容
死亡保険金

死亡したとき基本保険金額*1または死亡された日の積立金額のいずれか大きい額

(基本保険金額は最低保証)

高度障害保険金

高度障害状態になったとき基本保険金額*1または所定の高度障害状態になった日の積立金額のいずれか大きい額

(基本保険金額は最低保証)

満期保険金

保険の満了時に生存していたとき特別勘定資産の運用実績に応じた満期保険金額

(保険期間満了日の積立金額)

※死亡保険金、高度障害保険金、満期保険金はそれぞれ重複しない

 

保険の種類は大きく4種類

「ユニットリンク保険」の保険の種類は主に以下の4種類です。

それぞれ保険の部分において特徴はあり、自分の目的に合った商品を選ぶことができます。

ユニットリンク保険(有期型)
30年満期のユニットリンク型変動保険
ユニットリンク保険(定期型)
子どもが成人するまで、自身が成人するまでなど、保証を一定の期間に集中するコスパの良い保証
ユニットリンク介護保険(終身移行型)
認知症や、要介護2以上の保証をカバー
ユニットリンク長期入院一時金プラス
長期入院による収入の減少をカバー

 

「ユニットリンク保険」の運用は独立勘定

「ユニットリンク保険」の資産運用は独立勘定(他の保険商品とは資産を分けて独立した運用を行うこと)です。

13種類の独立勘定があり、自分の好みに合った投資先を選ぶことができます。

さらに、最大10種類まで組み合わせることが可能であり、いくつかを組み合わせることでリスク分散ができます。

■「ユニットリンク保険」独立勘定

プラン 主な投資先資産(2024.6月時点) 運用会社
安定成長バランス型 アーキタス・ワールド・エックス・ジャパン・パッシブ・ボンド・ファンド :30% アーキタス・マルチマ ネージャー・ヨーロッパ・ リミテッド
日本債券インデックスファンドVA(適格機関投資家専用):29% 大和 アセットマネジメント 株式会社 評判
セレクション・ジャパン・エクイティ:21% アセットマネジメントOne
アクサ IM・グローバル(日本除く)コア株式ファンド〈適格機関投資家専用〉:20% アクサ・インベストメント・マネージャーズ
積極運用バランス型 アーキタス・ワールド・エックス・ジャパン・パッシブ・ボンド・ファンド :20% アーキタス・マルチマ ネージャー・ヨーロッパ・ リミテッド
日本債券インデックスファンドVA(適格機関投資家専用):18% 大和 アセットマネジメント 株式会社 評判
セレクション・ジャパン・エクイティ:25% アセットマネジメントOne
アクサ IM・グローバル(日本除く)コア株式ファンド〈適格機関投資家専用〉:37% アクサ・インベストメント・マネージャーズ
日本株式型

国内株式インデックス・ファンドVA(適格機関投資家専用)

ブラックロック・ジャパン株式会社 
日本株式プラス型 セレクション・ジャパン・エクイティ アーキタス・マルチマネージャー・ヨーロッパ・リミテッド
外国株式型 外国株式インデックスファンドVA(適格機関投資家専用) 大和アセットマネジメント株式会社
外国株式プラス型 アクサ IM・グローバル(日本除く)コア株式ファンド(適格機関投資家専用) アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
世界株式プラス型  アクサ・キャピタル・グローバル・エクイティ・ファンド アーキタス・マルチマネージャー・ヨーロッパ・リミテッド
新興国株式型  エマージング株式インデックス・ファンド(適格機関投資家限定) ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社
SDGs世界株式型  エピック・グローバル・エクイティ・オポチュニティーズ・ファンド アーキタス・マルチマネージャー・ヨーロッパ・リミテッド
外国債券型 外国債券インデックスファンドVA(適格機関投資家専用)  大和アセットマネジメント株式会社
世界債券プラス型 適格機関投資家私募 アライアンス・バーンスタイン・グローバル・ボンド・ファンド-3 アライアンス・バーンスタイン株式会社
オーストラリア債券型  アライアンス・バーンスタイン・オーストラリア債券ファンド (適格機関投資家専用) アライアンス・バーンスタイン株式会社 
金融市場型 アクサ ロ-ゼンバーグ・日本円マネー・プール・ファンド(B) 〈適格機関投資家私募〉 アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社

 

「ユニットリンク保険」の運用実績・利回り

「ユニットリンク保険」の特別勘定ごとの運用実績は、ソニー生命の公式サイトの運用レポートで確認することができますので、読み解いていきましょう。

 

運用実績チャート

以下のグラフは、特別勘定ごとの運用実績をグラフで表しているものです。

https://www2.axa.co.jp/

 

これから分かるように、独立勘定ごとにかなり差があります。

以下の表は設定されたそれぞれの独立勘定ごとに運用開始された日から2024年4月30日までの実績と、利回りを計算したものです。

  • 「ユニット・リンク保険」設定日と設定来騰落率
プラン 設定日 設定からの騰落率 利回り(年換算)
安定成長バランス型 2009/02/01 137.23% 5.83%
積極運用バランス型 2009/02/01 215.69% 7.83%
日本株式型 2018/02/01 68.84% 8.74%
日本株式プラス型 2009/02/01 254.64% 8.65%
外国株式型 2022/02/01 43.62% 24.27%
外国株式プラス型 2009/02/01 554.57% 13.11%
世界株式プラス型  2018/02/01 134.01% 14.57%
新興国株式型  2015/05/01 44.27% 4.15%
SDGs世界株式型  2024/04/01 1.77%
外国債券型 2022/09/01 10.24% 6.03%
世界債券プラス型 2009/02/01 67.71% 3.45%
オーストラリア債券型  2015/05/01 16.23% 1.68%
金融市場型 2009/02/01 -6.54% -0.44%

https://www2.axa.co.jp/

これを見ると、利回りの上位はこのようになっています。

第1位 外国株式型 24.27%
第2位 世界株式プラス型  14.57%
第3位 外国株式プラス型 13.11%
第4位 日本株式型 8.74%
第5位 日本株式プラス型 8.65%

 

やはり近年の米国株式の高騰の恩恵を受けて、良いパフォーマンスとなっているようです。

第1位の外国株式型はかなり高利回りとなっていますが、設定日以来2年程度しか経過しておらず、コロナ渦後の株高の恩恵を受けているための数字であるため、今後このパフォーマンスが続くと期待するのは禁物です。

第3位の「外国株式プラス型」は、2009年2月の設定以来15年間で利回り13.11%となっており、実績が十分と言えます。

10種類までの独立勘定を組み合わせることが可能ですが、独立勘定ごとに実績にかなり差があることに注意が必要です。

あまり複数を組み合わせると、パフォーマンスを低下させてしまうことに繋がりかねません。

 

独立勘定の資産額

  • 「ユニットリンク保険」独立勘定資産額上位5位
第1位 世界株式プラス型 478,815,200円
第2位 外国株式プラス型 227,375,210円
第3位 積極運用バランス型 122,909,131円
第4位 安定成長バランス型 38,391,460円
第5位 日本株式プラス型 18,352,779円

https://www2.axa.co.jp/

 

「世界株式プラス型」は、2018年の設定で6年程度しか経っていませんが資産額が1番多くなっています。

”世界株式”と言う名前ですが、現在の資産のうち49%は米国株式になっています。

分野としては大きな偏りはなく、情報技術、ヘルスケア、金融、一般消費などに幅広く割り当てられています。

 

 

「ユニットリンク保険」のリスク・コスト面

保険費用・運用費用

  • 「ユニットリンク保険」の諸費用について
プラン 運用関係費 保険関係費 年間コスト
安定成長バランス型 0.4499% 0.75% 1.1999%
積極運用バランス型 0.50355% 0.75% 1.25355%
日本株式型 0.0605% 0.75% 0.8105%
日本株式プラス型 0.826% 0.75% 1.576%
外国株式型 0.0616% 0.75% 0.8116%
外国株式プラス型 0.495% 0.75% 1.245%
世界株式プラス型  0.773% 0.75% 1.523%
新興国株式型  0.55% 0.75% 1.3%
SDGs世界株式型  1.27% 0.75% 2.02%
外国債券型 0.0616% 0.75% 0.8116%
世界債券プラス型 0.572% 0.75% 1.322%
オーストラリア債券型  0.341% 0.75% 1.091%
金融市場型 0.03575~0.506% 0.75% 0.78575~1.256%

 

年間コストとしては、保険の要素を含んでいる分、インデックスファンドの投資信託と比較するとやや高めとなっています。

年間コストを考慮すると実質利回りは運用利回りより1~1.5%低く見積もっておくと良いでしょう。

設定日が比較的新しい日本株式型(2018年設定)、外国株式型(2022年設定)、外国債券型(2022年設定)などは比較的低コストとなっています。

年金支払い費用

特約などで受け取りを年金方式に設定している場合、年間で年金額に対して1.0%の手数料がかかります。

解約控除

生命保険には解約控除というものがあり、満期を迎える前に解約した場合は返戻金が大きく減額されるという特徴があります。

「ユニット・リンク保険」の場合、支払い年数が10年未満で解約した場合、解約控除が発生します。

また、支払い年数が10年未満で月々支払う保険料を減額した場合も、解約控除が発生するようです。

具体的な計算式は見つけることができませんでしたが、解約控除は大抵早期の解約になるほど減額が大きくなるようになっています。

「ユニット・リンク保険」を契約する場合は、必ず途中解約することのないように余剰資金で始めることが重要です。

 

 

「ユニット・リンク保険」の個人的評価

「ユニット・リンク保険」と投資と保険の両側面を持つ資産運用方法であり、万が一への備えと将来に向けた資産運用を両立したいという方にとっては良い方法であると思います。

保険と投資を1つの商品で管理できるため、簡単であるとも言えます。

独立勘定については、最大10種類まで選択することができますが、独立勘定=投資信託である点、利回り上位が外国株式と日本株式に偏っていることを考慮すると、あまり複数に分散し過ぎる必要はないように感じます。

また、1番注意すべきは、解約控除です。

支払期限が10年未満での解約、10年未満での支払い減額により解約控除が発生する点を十分に考慮する必要があります。

最低でも10年以上は確実に継続できるプランを設定しなければなりません。

 

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まとめ

  • 「ユニット・リンク保険」は保証と投資の両側面を持つ保険
  • 4種類の保証型と13種類の独立勘定による運用を組み合わせる
  • パフォーマンスは実績を
  • 手数料が高いことと早期解約すると返戻金が減額されることに注意

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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