金融庁が示す「金融リテラシーマップ」を紹介|”生活スキルとして最低限身に付けるべき金融リテラシー”とは

 

金融リテラシーマップ

というものをご存じでしょうか。

金融リテラシーマップとは、

”年齢層ごとに最低限身に付けるべき金融リテラシ-を具体的に表したもの”になります。

本日は金融リテラシーマップについて解説していきます。

 

金融リテラシーと金融リテラシーマップ

金融リテラシーとは

”金融や経済などお金に関する知識と判断力”のことです。

つまり金融リテラシーマップとは、

”年齢層ごとに身に着けておくべきお金に関する知識と判断力”ということになります。

 

金融リテラシーは何のために必要なのか

金融リテラシーは生活を経済的に豊かにするために必要です。

正しいお金と知識を持つことで、毎月の支出を減らしたり給与以外の収入を得ることにつながります。

また、それによって質の悪い金融商品や投資詐欺の被害に遭うことが減り、金融商品の健化にもつながります。

 

金融リテラシーは学校で教わらない

今社会で活躍している世代の方々は義務教育機関で税金や投資など金融リテラシーについて学ぶ機会はありましたでしょうか。

社会科で大まかな仕組みは教わったかもしれませんが、おそらく金融について詳しくっ学んだという方は非常に少ないのではないでしょうか。

そのため、

「日本人は金融リテラシーが低い」

と言われています。

それを受けて、日本では2020年から子どもの金融教育を拡充し、2022年4月からは高校において投資教育が必修化されました。

まもなく金融教育を受けた子供たちが社会に出てくることになります。

つまり、今社会人である私たちは、金融リテラシーの低い層として将来的に取り残されてしまう世代になってしまうのです。

 

金融リテラシーマップの区分

金融リテラシーマップは以下の4つの分野を7つの年齢層に分けて表します。

 

分野

  1. 家計管理
  2. 生活設計 
  3. 金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択
  4. 外部の知見の適切な活用

年齢層

  1. 小学生
  2. 中学生
  3. 高校生
  4. 大学生
  5. 若年社会人
  6. 一般社会人
  7. 高齢者

 

金融リテラシーマップの詳細

 

家計管理

小学生

必要なもの(ニーズ)と欲しいもの(ウォンツ)を区別し、計画を立てて買物ができる

中学生

家計の収入・支出について理解を深め、学校活動等を通じて収支管理を実践する

高校生

自分のために支払われている費用を知り、家計全体を意識しながらよりよい選択・意思決定ができる

大学生

収支管理の必要性を理解し、必要に応じアルバイト等で収支改善をしつつ、自分の能力向上のための支出を計画的に行える

若年社会人  

家計の担い手として適切に収支管理をしつつ、趣味や自己の能力向上のための支出を計画的に行える

一般社会人

家計を主として支える立場から家計簿などで収入支出や資産負債を把握管理し、必要に応じ収支の改善、資産負債のバランス改善を行える

高齢者

リタイア後の収支計画に沿って、収支を管理し、改善のために必要な行動がとれる

 

 

生活設計

小学生

働くことを通してお金を得ることおよび将来を考え金銭を計画的に使うことの大切さを理解し、貯蓄する態度を身に付ける

中学生

勤労に関する理解を深めるとともに、生活設計の必要性を理解し、自分の価値観に基づいて生活設計を立ててみる

高校生

職業選択と生活設計を関連付けて考え、生涯の収支内容を理解して生活設計を立てる

大学生 

卒業後の職業との両立を前提に夢や希望をライフプランとして具体的に描き、その実現に向けて勉学、訓練等に励んでいる 人生の3大資金等を念頭に置きながら、現実的な生活の収支イメージを持つ

若年社会人   

選択した職業との両立を図る形でライフプランの実現に取り組んでいる ライフプランの実現のためにお金がどの程度必要かを考え、計画的に貯蓄・資産運用を行える

一般社会人

環境変化等を踏まえ、必要に応じライフプランや資金計画、保有資産の見直しを検討しつつ、自分の老後を展望したライフプランの実現に向け着実に取り組んでいる

学校と連携しつつ、家庭内で子の金融教育に取り組む

高齢者

リタイア後のライフプランについて、余暇の活用、家族や社会への貢献にも配慮した見直しを行っている年金受取額等をベースとした生活スタイルに切り替え、心豊かに安定的な生活を過ごせるよう、堅実に取り組んでいる

 

 

金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択

  • 金融取引の基本としての素養

小学生

小学生が巻き込まれる金融トラブルの実態について知り、消費生活に関する情報を活用して比較・選択する力を身に付ける

中学生

契約の基本を理解し、悪質商法等を見分け、被害に遭わないようにする

高校生

契約および契約に伴う責任に関する理解を深めるとともに、自ら情報を収集し消費生活に活用できる技能を身に付ける

大学生

若年社会人 

金融商品を含む様々な販売・勧誘行為に適用される法令や制度を理解し、慎重な契約締結など、適切な対応を行うことができる

詐欺など悪質な者に狙われないよう慎重な契約を心掛ける

一般社会人

高齢者

資産管理面で高齢者が必要とする基本的な知識を習得し、必要に応じて専門家に相談することができる

 

  • 金融分野共通
小学生

暮らしを通じてお金の様々な働きを理解する

中学生

お金や金融・経済の基本的な役割を理解する

高校生

お金や金融・経済の機能・役割を把握するとともに、預金、株式、債券、投資信託、保険など基本的な金融商品の内容を理解する

大学生

若年社会人   

一般社会人

高齢者

金融商品の3つの特性(流動性・安全性・収益性)とリスク管理の方法、および長期的な視点から貯蓄・運用することの大切さを理解する お金の価値と時間との関係について理解する(複利、割引現在価値など)

景気の動向、金利の動き、インフレ・デフレ、為替の動きが、金融商品の価格、実質価値、金利 (利回り)等に及ぼす影響について理解している

 

  • 保険商品
小学生

事故や疾病等が生活に大きな影響を与えることを理解し、自らも安全に行動する不測の事態に備える方法として貯蓄以外に保険があることを理解する

中学生

リスクを予測して行動するとともに、人を負傷させたり、人の物を壊した場合には弁償しなければならないことを理解する 事故や病気のリスクや負担を軽減させる手段のひとつに保険があることを理解する

高校生

リスクを予測・制御して行動するとともに、加害事故を起こした場合には責任や補償問題が生じることを理解する 社会保険と民間保険の補完関係を理解する

大学生

自分自身が備えるべきリスクの種類や内容を理解し、それに応じた対応(リスク削減、保険加入等)を行うことができる

自動車事故を起こした場合、自賠責保険では賄えないことがあることを理解している

若年社会人   

一般社会人

自分自身が備えるべきリスクの種類や内容を理解し、それに応じた対応(リスク削減、保険加入等)を行うことができる

自動車事故を起こした場合、自賠責保険では賄えないことがあることを理解している

備えるべきリスクと必要な金額をカバーするために適切な保険商品を検討、選択し、家族構成や収入等の変化に応じた見直しを行うことができる

高齢者

自分自身が備えるべきリスクの種類や内容を理解し、それに応じた対応(リスク削減、保険加入等)を行うことができる

自動車事故を起こした場合、自賠責保険では賄えないことがあることを理解している

備えるべきリスクと必要な金額をカバーするために適切な保険商品を検討、選択し、家族構成や収入等の変化に応じた見直しを行うことができる

高齢期における保険加入の必要性・有効性や保険の種類を理解している

 

  • ローンクレジット
小学生

子ども同士でお金の貸し借りはしないようにする

中学生

ローン等の仕組みや留意点について理解する

高校生

貸与型の奨学金などローンの仕組みを理解し、返済方法や金利、延滞時の影響について考える

各種カードの機能や使用上の留意点を理解し、適切に行動する態度を身に付ける

大学生

収支管理の必要性を理解し、必要に応じアルバイト等で収支改善をしつつ、自分の能力向上のための支出を計画的に行える

若年社会人   

奨学金を借りている場合、返済を延滞した場合の影響等を理解するとともに、自力で返済する意思をもち、返済計画を立てることができる

ローンやクレジットは資金を費消してしまいやすいことに留意する

クレジットカードの分割払いやリボルビング払いには手数料(金利)負担が生じる点に留意するローンやクレジットの返済を適切に履行しない場合には、信用情報機関に記録が残り、他の金融機関等からも借入等が難しくなることを理解する

一般社会人
高齢者

リタイア後の生活の安定のために、必要に応じて負債と資産のバランスを見直せる

ローンやクレジットは資金を費消してしまいやすいことに留意する

クレジットカードの分割払いやリボルビング払いには手数料(金利)負担が生じる点に留意する

ローンやクレジットの返済を適切に履行しない場合には、信用情報機関に記録が残り、他の金融機関等からも借入等が難しくなることを理解する

 

  • 資産形成商品
小学生

困ったときにはすぐに身近な人に相談する態度を身に付ける

中学生

トラブルに遭ったときの相談窓口に、必要に応じて連絡する方法を身に付ける

高校生

トラブルに対処できる具体的方法を学び、実際に行使できる技能を身に付ける

大学生

若年社会人  

一般社会人

高齢者

外部の知見の適切な活用 外部の知見の適切な活用 困ったときにはすぐに身近な人に相談する態度を身に付ける

トラブルに遭ったときの相談窓口に、必要に応じて連絡する方法を身に付ける

トラブルに対処できる具体的方法を学び、実際に行使できる技能を身に付ける

金融商品を利用する際に相談等ができる

適切な機関等を把握する必要があることを認識している

金融商品を利用するに当たり、外部の知見を適切に活用する必要があることを理解している

金融商品の利用の是非を自ら判断するうえで必要となる情報の内容や、相談しアドバイスを求められる適切で中立的な機関・専門家等を把握し、的確に行動できる

 

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