この記事では、
”高配当株投資の落とし穴”
”配当貴族指数”
について
わかりやすく解説していきます
「高配当株ランキング上位を買えばOK」は危険
投資初心者が気軽に投資行えるキーワードの1つが“ほったらかし“です。
仕事をしながらでもできて、日々PCやスマホとにらめっこしなくてもよいというメリットがあります。
特に高配当株投資は、配当が高い株を買って持ち続けるだけという初心者向けの投資で、新NISAが始まって以降更に人気となっています。
しかし、ネット検索で、
「高配当株 ランキング」
と検索して出てきたサイトの上位を購入しておけば問題なし!
などと思っていませんでしょうか。
もちろん高配当株を調べることは悪いことではありませんが、単純に高配当株ランキングの上位を買うだけではリスクがあります。
配当金は変動する
まず配当金というのは
1株当たりの利益(企業の利益÷発行株数)×配当性向
で決まります。
配当性向とは、
”利益のうち何%を株主に還元するかという指標”で、企業によってその値は異なります。
発行株数と配当性向はそこまで頻繁に変化しませんが、企業の利益は当然ながら業績によって毎年のように増減します。
”配当金は不変ずっと不変なものではない”ということがまず重要なポイントです。
「高配当株ランキング」に潜む3つの落とし穴
では単純に「高配当株ランキング」の上位を選ぶことは何が危険なのでしょうか。
1. 情報が古い
高配当株のランキングは常に変動しており、リアルタイムの情報でなければ利回りや配当情報は実際と違っている可能性があります。
高配当銘柄ランキングは大抵、利回り(年間の配当金÷株価)でランク付けされています。
例えば、1株1,500円で配当金が60円の銘柄があった場合、
60円÷1,500円=4%となります。
配当金は利益によって増減するもであり、さらに株価に至っては日々変動しているものです。
つまり、利回りは日々変化しているということであり、そのランキングも常に変化しているということです。
2. 配当金の減額
高配当額投資で最も恐れることは、配当金の大幅な減額です。
「高配当株ランキング」の上位にランクインしている銘柄は、今の配当金が今後も続けられるのかに注意する必要があります。
2024年1月には、前年まで利回り約6%で人気の高配当銘柄であった”あおぞら銀行(8304)”が、赤字決算&予定していた配当が上半期の無配になるという衝撃的な発表がありました。
あおぞら銀行は投資初心者に人気の銘柄で、新NISAの固有銘柄の購入金額3位だったそうで、投資を始めて早速痛い目を見てしまった方が多かったようです。
他にも、2022年には日本郵船(9101)が約19%というとんでもない利回りで利回りランキング1位に君臨していましたが、2024年現在の利回りは3%以下です。
さらに、川崎汽船(9107)は同じく2022年頃には8%という利回りを誇りましたが、2024年現在の利回りは4%以下となっています。
利回りが極端に高い銘柄は、業績によって配当金が増減する、もしくは長く続けられないと思っておいた方が良いです。
3. 将来株価が下がる可能性
高すぎる配当金を出す銘柄は、企業として成長するための投資にまわす資金が少なくなるため、株価が伸び悩んでしまう可能性があります。
企業の利益の何%を株主に還元するかを示す”配当性向”という指標があります。
企業規模や経営状態によって変わりますが、配当性向はだいたい30~40%程度がバランスの良い状態とされています。しかし、あまりに配当性向が高すぎる銘柄は、今の配当性向が長く続けられない、もしくは企業として今後伸び悩んでしまう可能性があります。
高配当株を買うときのポイント
1. 利回りは3~5%を目安
高配当株は利回り3~5%を目安に考えると良いです。
一般的に日本国内銘柄では、利回りが3%以上の銘柄が高配当株と言われています。
あまりに利回りが高すぎる銘柄は、現在の配当金が一時的であり長く続かない可能性があります。
また、少ない銘柄に1点集中ではなく、いくつかにバランスよく分散して投資することがお勧めです。
2. 「〇年連続増配」を買う
連続で増配している企業は、今後も高い配当金が継続される可能性があると言えます。
しかし、ここで注意すべきなのは、増配を続けている銘柄の利回りはそこまで高くないことが多いです。
その理由は、このような銘柄は人気があり、株価も年々高くなっているからです。
例えば、人気銘柄であるKDDI(9433)を例に見てみます。
KDDI | 株価 | 配当金 | 配当利回り |
---|---|---|---|
2017年 | 2,920円 | 85円 | 2.91% |
2020年 | 3,185円 | 115円 | 3.61% |
2023年 | 4,091円 | 135円 | 3.30% |
このように、配当金が徐々に高くなっていますが、株価も上がっているため利回りが下がっています。
一見してそこまで目立った高配当銘柄とは思えませんが、もし2017年にKDDIの株を購入している人は、現在の利回がは約4.6%になっていることになります。
加えて、株価も+1,171円となっているため、100株で換算すると117,100円の含み益になっているということになります。
利回りだけを見ていると、このような優良な銘柄を見落としてしまう可能性があるのです。
3.「S&P/JPX配当貴族指数」の構成銘柄を買う
配当貴族とは、
”長期間毎年配当金を増やしている銘柄”のことを言います。
S&P/JPXとは、
- S&P(S&P500) =代表的な米国銘柄500
- JPX(JPX150) =代表的な日本銘柄150
のことです。
つまりS&P/JPX配当貴族指数とは、
”日本とアメリカの代表的な銘柄の中で長期間毎年配当金を増やしている銘柄の株価指数”のことです。
ダウ・ジョーンズ・インデックス というファンドが算出しています。
この指標に構成されている銘柄は増配を数年間続けている銘柄なので、これを参考にすることで簡単に優良銘柄を探すことができます。
以下のサイトの構成比率トップ10の項目に上位10銘柄が記載してあります。
※ローマ字表記になっています。
比較的新しい指標ですが、近年はこれに連動する投資信託やETFも登場してるため、投資信託やETFで購入するのもおすすめです。
投資におすすめ証券会社
まとめ
- 高配当株ランキングだけを参考にするのは危険
- 利回りにとらわれ過ぎず、実績と将来性を重視
- 配当貴族指数を参考にすることで優良銘柄を探せる
最後までお読みいただきありがとうございました。
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