この記事では、
”ウォーレン・バフェット氏の「分散投資は意味がない」という発言”
について
わかりやすく解説していきます
分散投資とは
分散投資とは、投資先や投資タイミングを複数に分けてリスクを減らす投資方法のことです。
例えば、投資可能な資金を全額A社の株式だけに投資した場合、もしA社の株価が下がってしまった場合大きな損害を受けてしまいます。
また、投資可能な資金を株式や国債、不動産など多種に分けたとしても、その後に景気が落ち込んだり為替相場の変動により投資界隈全体が落ち込んでしまうという可能性もあります。
投資先をや投資タイミングを一点に集中させてしまうと、リスクがもし大きくなってしまうので、それを避けるのが分散投資です。
分散投資は投資業界の鉄則
投資界隈にはこのような格言があります。
「卵は1つのカゴに盛るな」
多くの卵を1つの籠に入れて運んでいては、もし落としたらすべて割れてしまうという意味です。お分かりの通り、卵は資金、カゴは投資先のことです。
全ての資金を1つの投資に集中した場合、もしそのファンドが失敗すると資産は大きな打撃を受けてしまいます。
この格言の通り、多くの投資家が、また私自身もこのブログで分散投資を推奨してきました。
しかし投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、
「分散投資は意味がない」
という言葉を残しています。
はたして分散投資は間違いなのでしょうか。
発言の背景から読み解いていきましょう。
ウォーレン・エドワード・バフェットの人物像
まずはウォーレン・バフェット氏についてよく知らない方のためにあらためて今一度ご紹介しましょう。
ウォーレン・バフェット氏は投資に本格的に携わる者であればその名を知らない人はいないほどの世界的有名な投資家であり、”投資の神様”と呼ばれています。
また、ウォーレン・バフェット氏は投資会社「バークシャー・ハサウェイ」という時価総額が一兆円にも迫る超大手投資企業のCEOでもあります。
1965年にはバークシャー・ハサウェイの経営を担って以降、天性の投資手腕を発揮しさまざまな企業に投資した結果、バークシャー・ハサウェイは世界最大の投資企業にまで成長させたのです。
またバフェット氏の資産も比例して増え続け、2007年に世界長者番付1位となります。
しかしながら、彼の暮らしは極めて一般的であり質素なものです。
大富豪であるバフェット氏ですが、住まいは1958年に31,500ドル(当時日本円で約1,130万円)で購入した家です。
その一方で、慈善活動は積極的に行っており、稼いだお金の多くを慈善団体に寄付しています。
バフェット氏は熱心な読書家としても知られており、1日の80%を読書に費やすと言われるほどです。
投資のみならずビジネス書や自己啓発本など幅広い知識を身につけています。
投資家としてだけでなく、人間としても大変魅力的な人物といえます。
発言の背景
「分散投資は意味がない」
という言葉は1993年に出版された
”バフェットの法則”
という本の中で彼の言葉として載せられていました。
正確な記載は、
”分散投資は無知に対するヘッジだ。自分で何をやっているかを理解しているものにとって、分散投資はほとんど意味がない。”
というものです。
彼はこの言葉通り、集中投資によって莫大な資産を築き上げています。
”オマハの賢人”
という異名を持つ卓越した手腕で、
”バリュー投資”
つまり割安で長期的な成長が見込める企業に集中的に投資する戦略により財産を築いてきました。
彼自身も何十もの銘柄を持つより、数銘柄を大量に持つのが自分の投資スタイルだと語っています。
つまり、この発言は彼の投資の手法についてであり、我々一般の投資家へのアドバイスではありません。
分散投資は投資のプロにとっては非効率
分散投資の目的はリスクヘッジです。自分の資産の投資先を複数に分けることによって大きな損を回避することです。
効率よく資金を得る方法ではありません。
リスクを見極められるだけの経験や企業の分析力があれば分散して投資することはたしかに意味がないどころか逆効果になるかもしれません。
”無知に対するヘッジ”
というのはまさのその通りかもしれません。
また分散投資の代表でもある投資信託についても同様の理由で批判的な意見が存在します。
分散投資にもメリットはある
このような主張はバフェット氏のように豊富な知識と経験を持ち、将来有望な銘柄を見抜くことができる人にしか適用できません。
分散投資はプロにとっては無駄のある投資かもしれませんが、一般の投資家にとっては、分散投資はリスクを低減し安定したリターンを得るための有効な手段と言えます。
バフェット氏自身も、自分の妻や一般の投資家にはS&P500のインデックスファンド(アメリカの大型企業500社を対象)の投資を勧めています。
これはメジャーな分散投資であり、バフェット氏も分散投資が全員に無意味という意図で発言しているわけではないことがわかります。
日本株は分散投資向き
日本株には「株主優待」という制度があります。
優待の多くは単元株、つまり優待がもらえる中で一番少ない株数がもっとも効率が良い場合が多いです。
株主優待で有名な「桐谷さん」こと桐谷広人氏は、かつてバフェット氏の発言を引き合いに出した上で、
「日本株には優待制度があるため分散投資に向いている」
という旨の発言をしています。
分散投資をすることで優待の面でもメリットが得られます。
まとめ
分散投資は投資を生業とするようなプロにとっては非効率な投資となるかもしれませんが、我々のような一般的な一般的な兼業投資家にとってはリスクヘッジにもなる有効な投資方法です。
一番手軽な分散投資としては指標に連動した「投資信託」がおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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