「経済雑誌日経トレンディが選ぶヒット商品30」
が発表されました。
その17位に
「SBIラップ」
というものがランクインしました。
SBIラップとは何か。
なぜヒット商品になっているのか。
この記事では、
SBIラップ
について解説していきます。
SBIラップとは
SBIラップとは、
”SBI証券が販売する金額以外を運用会社に一任するという投資信託”です。
2022年4月から運用が開始されているまだ新しい投資信託です。
ユーザーが決めるのは投資する金額だけで、何にどのような割合で投資するかということは、全ておまかせです。
株式会社FOLIOという企業が運用を行います。
FOLIOはSBIグループ企業であり、AIを活用した資産運用「FOLIO ROBOPRO」を販売している企業です。
SBIラップは2つのコース
SBIラップは分配金再投資の積み立て投資信託となっていますが、次の2つのコースが設けられています。
AI投資コース(AIラップ)
AI投資コースは、AIが市場の動きを予測し最適な投資配分を決めてくれるコースです。
このように、AIが利用者に対して投資の提案をしたり、利用者に代わり実際に買付を行う投資のことを”ロボアドバイザー”と言います。
AIならではの緻密な分析と冷静な投資判断が強みであり、さらにこのAIには学習機能が備わっているため、経験を積むほどに成長し続けていくということが特徴です。
AI資産運用サービス「FOLIO ROBOPRO」を提供するロボアドバイザーのプロ、FOLIOが運用するのでその実績も十分といえるでしょう。
匠の運用コース
匠の運用コースは、2023年7月から開始された新しいサービスです。
業界最大手の資産運用会社である野村アセットマネジメントの戦略を参考に運用を行います。
資産配分の決定には、
”オールウェザー・ファクターアロケーション戦略”
という考えが活用されています。
日本語訳すると「全天候型」。
金融市場の変動を天気になぞらえ、晴れの日も、雨の日も、その時々の天候(=市場環境)に合わせて資産配分を臨機応変に変更することで、安定的に優れたパフォーマンスをお客さまにお届けすることを目指す、という思いが名称に込められています。
SBIラップの実績
AI投資コース
2023年の上半期(2023年3月~2023年9月)のパフォーマンスは+8.19%です。
良い数字ですが、世界株式や他のAI投資(ロボアドバイザー)平均と比較するとやや低い数値となっています。
2023年は米国株が大きく伸びた年でしたが、AIコースは米国株保有率が低くなっていたためその恩恵が少なかったことがその理由と考えられます。
しかし、その前の2022年下半期(2022年9月~2023年3月)は+4.34%と他のロボアドバイザー平均を上回っています。
匠の運用コース
まだ運用期間が少ないものの、2023年11月時点までのパフォーマンスは-1.7%となっています。
9月末頃からの米国株の下落の影響を受けていると言えますが、これについては期間が短すぎて判断材料として少ないと言えます。
投資判断としては最低でも半年~1年は必要であるため、今後に注視する必要があります。
SBIラップのメリット
一任できるため簡単
投資信託は投資先などを自分で決める必要がありますが、SBIラップはお金を預けるだけであとは何もする必要がありません。
また、定期的にリバランス(投資内容の見直しと改善)が行われるため、投資者が状況の変化に応じて対応するなどの必要もありません。
少額で参加可能
AI投資コースも匠の運用コースどちらも1万円から購入可能です。
また、毎月1,000円からの積立が可能で、参加ハードルが低く初心者でも始めやすい仕様となっています。
安価な手数料
投資を一任するためファンド側の負担は通常のという信託に比べて大きくなりますが、手数料は一般的な投資信託と比べても安価な設定となっています。
コース | 購入手数料 | 信託手数料 |
---|---|---|
AI投資コース | 0.66% | 0.29% |
匠の投資コース | 0.77% | 0.69% |
SBIラップのデメリット
NISA非対応
一番のデメリットはNISA対象の商品ではないということです。
AIが新産運用をしてくれるサービス”ロボアドバイザー”の中には、NISA対応の商品も存在します。
非課税のメリットを考えると、あえてSBIラップの選択をする理由は少なくなってしまいます。
NISAについては過去記事をぜひお読みください。
実績が乏しい
新しい商品であるため、実績がまだ不明瞭なところがあります。
また、2つのコースどちらも他と比較して特段優れたパフォーマンスというわけでもなく、短い期間でも良い評価ができるまでには至りません。
SBI証券から購入
現状ではSBIラップを始めるためには、SBI証券から購入する方法しかありません。
そのため、もしSBI証券口座を持っていなければ新規で開設する必要があります。
SBIラップの購入方法
SBIラップを購入するためには、SBI証券の証券口座が必要です。
SBI証券で証券口座を持っていない場合は、新規で口座開設する必要があります。
開設後は非常に簡単です。
以下の手順で申込みが完了します。
- SBI証券で証券口座を開設
- SBI証券 SBIラップのページへアクセス
- コースを選択
- 各種規約の同意確認にチェック
- 契約締結前交付書面を確認する
- 「同意して申込む」をクリック
SBI証券は購入すべきか
結論から言うと、
- 初心者の方にはおすすめ
- 中級者は今は購入する必要はない
と思います。
定期的に状況を確認したり、リバランスを考えるのが面倒という方はSBIラップは良い選択肢と言えます。
しかし、資産形成であれば新NISA対応の投資信託の方が非課税で効率が良いです。
今後の実績を見て良いパフォーマンスが続くようになれば、初心者でなくても購入を検討しても良いかもしれません。
まとめ
- SBIラップ=投資内容を運用会社に一任する投資信託
- AI投資コースと匠の運用コースの2種類
- 購入するためにはSBI証券口座が必要
- NISA非対応
- 新しいサービスのため実績がまだ少ない
最後までお読みいただきありがとうございました。
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